2/03/2015

[2015/02/02] Reggae, Dancehall Music... What Went Wrong? 間違った方向へ進んだ理由は?

Sunday Gleanerが3回シリーズでお届けする、レゲエの過去、現在、未来について書いたコラム、前回は過去について紹介されており、当店のブログでも訳を掲載しました
2回目の今週は
Reggae, Dancehall Music… What Went Wrong?
(レゲエ、ダンスホール音楽・・・間違った方向へ進んだ理由は何なのか?)
 と題し、現在について書いています。

今日(こんにち)、やや活気のないレゲエの売上について紐解いてみる。この記事を書く前にBillboardのレゲエアルバムチャートをチェックしてみたが、1位は‪Rebelution‬のCount Me In、続いてSOJAのAmid The Noise and Hasteといずれも非ジャマイカ人アーティストのランクインという有様だった。さらにiTunesのトップ100チャートを見ると、トップ10のうち5曲はBob Marleyの1970年代に録音された曲たちなのだ。

ではこの現代に製作された音楽が間違った方向へ進んだ理由は何なのか?

The Sunday Gleanerは音楽コンサルタントであるClyde McKenzieに聞いてみた。

「皮肉なことだが、我々はアーティストの成功のためにかなり真剣に取り組んで来ており、私はジャマイカの音楽が非常に成功してると考えている人の一人であるが、一方で我々ジャマイカ人のスタイルを忠実に演奏できる海外のアーティストが出て来ているとも思う。」

McKenzie氏によると、ジャマイカのアーティストの多くは何らかの海外への渡航制限に直面しており、それが自分たちを売れなくさせている理由であると言う。これらがこの小さな島、ジャマイカで生まれた音楽の持つ可能性を海外に向けて発信できない主な理由になってしまっていると言う。

ただ、すべてが失われた訳ではない、まだその絶大な人気に衰えを見せることのないジャマイカ人アーティストたちもいる、と言う。「新しい世代のリーダーであるChronixx、Jah9、ProtojeそしてJesse Royal、さらに現在は檻の中にいるVybz Kartelも忘れちゃいけない」

すでに亡くなっているBob Marleyの成功について、McKenzieはこう表現する「a wonder of nature = 自然の奇跡」

McKenzieによれば、Marleyは別格であり、彼は非常にいい時代に、非常にいい場所にいた、完璧な男だ。
「彼の人生のすべて、そして彼の死についてさえもそれはパーフェクトなタイミングで起こった、という人がいるね。Bobは生きていたら今年で70歳を迎える。今生まれたばかりの子供でさえも彼の曲に共感できる。何故かって誰も年老いたBob Marleyのイメージを持ってないんだ。今でも若くて生き生きとした姿が残ってる。これが彼の最大の魅力の理由なんだ
、皮肉なことに。

結局のところ売上成績があがっている訳ではない。McKenzieは「世代間の比較」をしないようにしているんだとか。それをしたところで逆効果になるだけだからだそうだ。「我々は国際的なアピールのできる国際的な音楽ジャンルを作ることができた小さな島の出身であることを幸運だと思ってる。 
Marleyやその世代のアーティスト達は社会の目立たない場所から出て来て、国際的にも関わりの薄い場所で生きて来たことを考えると、それは非常に特殊なケースだということがわかる。この世代の人達が作って来た、何かに対抗する音楽"Rebel Music"は社会が激変する当時の時代に合っていた。Bob Marley、Peter ToshそしてBunny Wailerは世界中の解放闘争の大きな力となっていたのだ。

また現代に話を戻す。

ヨーロッパの音楽フェスティバルシーンではヨーロッパのアーティストがレゲエを楽しむ姿も多く見られる。McKenzieいわく、それはつまり(主催者側にとって)より経済的だからだ。
「もし私がヨーロッパのプロモーターで、出演者に地元のアーティストか、ジャマイカのような場所からアーティストを招聘するか、という選択を迫られたら、私は単純にコスト面から前者を選ぶと思う(すべての条件が同じと考えた場合)。ジャマイカからの飛行機代はアーティストのみならず、帯同する関係者を含めたら大変なコストになるからね」

また、アーティストの売上と製作に影響を与える落とし穴には同性愛を嫌悪する人達がいるからだとも言われている。

「多くのジャマイカンアーティストたちがこの件に関して注意深くなってるきてるし、はっきりと同性愛を嫌悪すると明言する人も減って来ていると思う」

最後にMcKenzieは、アーティスト達は必要以上に自分たちの活動を窮屈なものにしなくてもいいが、今こそ市場に対してもっと理解を示さなければいけない時だと言う。

「アーティスト達は、いくつかの市場を見たうえで、何が受け入れられて、何が受け入れられないかを理解しなければいけない」

次回は"The Way Forward"と題し、未来について書かれます。


記事原文:http://jamaica-gleaner.com/gleaner/20150201/ent/ent2.html

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レゲエはジャマイカ人の「生活・生き様」を表したものです。現代とBob Marleyの時代に作られたものが違いすぎるのは明らかで、自由を求める皆が一つになるためのリーダーが必要とされていたのです。皆を惹き付ける、そして皆の気持ちを代弁する強いメッセージが現代のアーティストなお続く人気の秘訣なのでしょう。

一方、このコンサルタントの視点ではビジネス寄りなので、売れる(音楽を作る)ことに重きを置いた意見ではありますが、これもレゲエを、しいてはジャマイカを盛り上げるには大切な要素ではあります。

2月のレゲエ月間開始とともにレゲエに関するコラムが多く掲載されているので、またピックアップして紹介できればと思います。


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