4/12/2016

Soca Versus Dancehall - Debate Continues

ジャマイカは毎年3月から4月にかけてソカに合わせて踊りまくるカーニバルシーズンとなります。2月の灰の水曜日(キリスト教の祝日)から4月のイースターのロードマーチに向けて毎週末イベントが行われるのです。今日はダンスホールとカーニバルについて比較したコラムを訳しました。

Soca Versus Dancehall - Debate Continues Treatment For Similar Actions
ソカ vs ダンスホール - 似た者同士の議論は続く


インターネット上で議論されているだけでなくダンスホールとカーニバルイベントの類似性について、ダンスホールファンがカーニバルの人気とダンスホール(音楽)の生まれた国での扱いについて納得できないと騒いでいるんだそう

音楽プロデューサーのSkattaは、ロードマーチが行われた先週の日曜日にその不満を露わにした。それによると、Skattaはカーニバルをサポートするジャマイカ人に対し、毎年2月に行われるレゲエ月間よりもカーニバルに力を入れている!と不服の様子。またソカのアーティストはKing if Reggae Bob Marleyには敵わないことを指摘。一方でBobのためにキングストンのオフィス街は閉鎖にはなってないが。(ソカのカーニバルではオフィス街が閉鎖となる)

SkattaのコメントはカーニバルのプロモーターであるIB Kontehに伝わった。彼はジャマイカ人にソカを引き合いに出すのをやめるべきだと言っている。また彼は政府や民間企業をうまく巻き込んでダンスホールを盛り上げる策を見つけることに集中したらどうかと提案する。

この2人がそれぞれのコメントを出している間、インターネットではそれぞれのサポーターがそれぞれの言い分を説く。

意見のうちの一つは、2枚の写真を比べ、カーニバルでもダンスホールでも女性は男性の腰に足を巻きつけてるところは同じだと指摘。同じことをしてるのにカーニバルのときは'having fun' 楽しんでる、と言われるのに、ダンスホールはダメ、'no class' いわゆる品がない、と言われるのは不公平だというのだ。

ここで出てきた品(ひん)の話、ある人はこう指摘する。
ダンスホールは音楽の1ジャンルとしては問題ない、ところが品があるかどうか、という観点で見るとあるとは言い難い。
「カーニバルを楽しむ人たちは富裕層だ。そしてファーストクラスのやり方で行われるカーニバルを支持している。彼らがダンスホールを批難してるのは、それが貧乏な人たちによって作られたものだからだ。肌の色でジャッジするならば、誰がこのターゲットで誰がそうでないかは言わなくてもわかるはずだ。ロードマーチの現場でさえ肌の色の明るい男性のほうが人気で、女性も一緒に踊りたがるのを多く見る、だからといってこれについて誰ももめたりしない。きっと肌の色の濃い男性が寄って行ったら、彼女たちは去るか、もしくは押しのけるね。」と言った。

また同じく富裕層からなるジャマイカ企業たちはダンスホールへのスポンサーの不足、むしろ協力的ではないと説明する。
「Magnum やGuinness、ラム酒の会社のようにダンスホールをサポートしている企業もあるしかしよく考えてみればカーニバルへのサポートと同じだけのことがダンスホールにされていたら?」

ラジオDJでサウンドシステムのオペレーターであるDJ Rushはこの国でのソカへの理解が上がってきていることについて説明した。いわく、ダンスホールは、ソカの発祥地であるトリニダッドで広く人気がある、だから彼自身はソカをサポートすることに異論はないという。

2005年まではパーティに行ってソカをかけたら客はDJに帰れって言ってたよ。2000年代半ばに突然何があったかって?考えてみてよ、この頃に音楽というものが変わったんだ。多くの人はそれまでパーティに音楽を聴きに来ることがなかった、でもだんだん変わっていったんだ。

有名なサウンドシステムで90年代にプレイしていたセレクターを多く知ってるが、彼らはもうダンスホールを聴きたくないと言うんだ。問題は音楽業界として我々が築いてきたものを我々が少しずつ変えてしまい、そして人々がそれに合わせていった、ということだ。ある音楽が人々の求めるものではない時、それを補うのは他の音楽なんだ。」

誰かがダンスホールを下げようとしてるわけでも、海外の音楽をもっとサポートしようと力を入れているわけではないしかしダンスホールが人々の期待に応えられていないと指摘する。
「みんながジャマイカでソカで盛り上がることに、陰謀があるわけではない。ただみんなが好きだった音楽がなくなってしまったというのが理由だ。みんなが言うのは、ジャマイカでソカがヘビープレイされる、トリニダッドに行ったら同じ、ダンスホールがトリニダッドのラジオでかかる、それもソカよりもたくさん…カーニバルの時期以外。だからダンスホールももっと盛り上げることができるね。」

しかしなぜダンスホールをビジネスの観点からサポートしてもらいにくいのか。質のいい音楽は変化にも耐えうるはずだ。彼はダンスホールが低迷する理由は企業の責任ではないと言う。
理由となりうる要素を挙げてああだこうだ言うのは簡単なことだ。何故Byron Leeが取り入れたソカに対抗するのがそんなに難しいのか?彼はどうやって業界を変えた?彼の音楽は誰もが認めたし、質の高さを知れば明らかだ。」と閉めた。

今年はボルトも参戦し、かなり話題になっていました。

記事原文: http://jamaica-gleaner.com/article/entertainment/20160410/soca-versus-dancehall-debate-continues-over-unequal-treatment-similar
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確かにこの時期はラジオもいつも以上にソカを流しますし、カーニバルがうまくビジネス層も巻き込んでいるという意味では成功してるのでしょう。ただ、ダンスホールの生い立ちを考えるとここを目指すのはちょっと違うような気がしますし、それぞれ特徴があってこそ新たな才能が出てくるのではないでしょうか。日本の安っぽいアイドル音楽に信じられないほどのお金がかかっていることを考えると、ハングリー精神がジャマイカ人を強くするのかも…

カーニバルですが、確かにここ数年の盛り上がり方はすごいです。ちなみにロードマーチの時に着るコスチュームは日本円で40,000円~といった高額なものでジャマイカの一般的な会社の平均月収くらいあります。
見ててわかるのは記事にある通りジャマイカ人の中でも肌の色も薄い人が多く、また女性は肌や髪もきちんと手入れしているかわいい / きれいな人が多いので、まさに富裕層のためのパーティという印象です。でも踊る様子はダンスホールとそう変わらないんですよね。

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Tings & Time Records
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