8/18/2014

[2014/08/17] Wah Gwaan Jamaica? -Kentucky Kid殺人事件を通して見る腐敗したジャマイカの警察

Kentucky Kidというエンターテイナーを覚えているだろうか。

彼は2009年12月にジャマイカの警察官によって殺された。
それから4年が経とうとする今、関与した3人の警察官と2人の市民が殺人の罪で起訴されることになった。

死亡時37歳だったKentucky Kidの検察は2010年9月から始まり、陪審員が判決を下したのは8月12日、4年近くも経っていた。議長をつとめた検察官のPatric Murphyは、この起訴された5人(一人も出席していなかった)に対する逮捕令状を求めている。

■Kentucky Kidの死について
ことの発端は、2009年7月11日、彼本人がスパニッシュタウンで警察が起こした交通事故に巻き込まれたというもので、これに対し警察は組織ぐるみで彼に苦情を言うのを止めさせるよう脅していた。この事実を皆に知ってもらうため、Kentuckyはこの警察による嫌がらせを録画し、ビデオをインターネット上に公開していた。

そして2009年の12月9日、キングストンにある彼の自宅アパートの敷地内で不運にも警察官によって撃たれ、帰らぬ人となってしまったのである。

実はこの発砲事件が起こる前、Kentuckyは警察に巻き込まれた事件についてPPCA(Police Public Complaints Authority=警察についてのクレームを受け付ける機関)とJFJ(Jamaica for Justice=不正に対して正義を主張する者の味方となってくれるジャマイカの公正機関)などに相談しており、また、彼とその家族の命が危機にさらされている恐れがあるので助けて欲しいとも主張していた。

記事原文:http://www.jamaicaobserver.com/news/3-cops--2-civilians-to-be-charged-for-Kentucky-Kid-s-death----Coroner-s-Inquest

参考:以前にBBCで放送されたジャマイカの警察の残虐性について
  (Kentuckyの事件も本人のビデオ含め、出ています)

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■Tings & Time Recordsより補足

Kentucky Kidのニュースはこの検察が終了した翌日、8月13日の各新聞のヘッドライン、情報系サイトのトップに大きく取り上げられた。

ジャマイカでは政治はもちろん、警察も腐敗しており、現在も汚職が行なわれており、多くの人が警察に対して諦めを感じている。そんな中で、4年が経った今でもその調査が続けられていたこと、そして関与した人達、それも警察官に判決が下ったことは大きな進歩であり、希望の光とも言えるだろう。またKentuckyと同じように納得できない理由で警察に殺されてしまう人は毎年、年間100人ほどいるんだそう。

彼には日本人の家族がいる。今回、この記事を書くにあたって話を聞くことができた。
「この判決は、最初のステップではあるけれど、こういう事件があったことや、腐敗したジャマイカの警察のしくみについて、だけど今回進歩があったことを、ジャマイカやレゲエを好きな日本人に知って欲しい。そしてそれはジャマイカにとっても大事なことだと思う。」と話してくれた。

また、この事件について、実際はSetupされており、シナリオがあったと言う。警察じゃない人物(おそらくこれも警察だと思うが)に呼び出されて撃たれ、犯人はタクシーで逃走。また、警察は現場近くに待機していて、ガンマンがいる(Kentuckyのこと)、と通報があったから撃ったという話になっていたことも教えてくれた。

彼の勇気ある行動によって、自身の命を失うことになってしまったが、その一方でこれによりジャマイカのこの腐りきった警察のシステムが変わろうとしているのかもしれない。


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Tings & Time Records
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