9/04/2017

Popcaan、地元St. Thomasで道路の修復を求め抗議活動へ

今日のBlogは前回のCharly Blackにつづき、アーティストの地元ネタをご紹介します。

先日、Popcaanが出身教区であるSt.Thomas(島の東部に位置する教区)で、劣悪な道路環境の改善を訴える路上抗議デモに参加しました。


ジャマイカの地図 右下がSt.Thomas教区


本人曰く、St.Thomasの道路の悪さを歌うのは簡単だが、それよりも不満や要望を政府に聞き入れてもらうために皆と一緒に抗議運動することを決めたんだそう。

PopcornはMorant Bay(St.Thomasにある街の一つ、地図参照)でプラカードを持つ男性たちと一緒にいるのが写真に写っています。バイクの先導と共に教区内のたくさんのコミュニティに立ち寄り、皆にこの運動を呼びかけました。



タクシー運転手や車に乗った人たちも次々に参加し、その日の終わりには群衆はかなり大きなものになりました。「我々(居住者)は政府にこの声を聞いてもらうためにこうした活動を続けている。なのに何も変わってないんだ」Popcaanは叫ぶ。「St.Thomasはそんなに目立ったものもない教区だ。だが今は道路の修復を求める」と付け加えた。

「道路をよくしてくれ、と歌うことだってできるさ。だけどそれは単に歌に過ぎないんだ。昔からアーティストたちは道路を直してくれ、と歌で訴えかけてきた。だが何も変わってない。だから自分は今回もっと真剣だということをわかってもらうために、これがやや乱暴なやり方だって思われるかもしれないけど、行動を起こしたんだ。道をふさいだりトラブルを起こしたりしてない。どう思ってるか見て、聞いて欲しいんだ」

そして彼は1週間以内にに政府からなんらかの返答が得られることを期待している、さもなければ次はもっと大きな路上での抗議活動を行う、と言っています。

記事原文:https://dancehallhiphop.com/2017/09/01/popcaan-leads-protest-over-bad-roads-in-st-thomas/

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ジャマイカに行ったことがある人だったら、ジャマイカの劣悪な道路状況をご存知でしょう。コンクリートが崩れてできた穴(pat hole)は運転もかなり気をつけなければいけないほどです。またタクシーやバスに乗れば、運転手はスピードを出しつつ穴を避けるための運転なのでかなり乱暴。そして雨が降った後はさらにひどいものです。

St.Thomasはジャマイカの中でも一番と言っていいほど道が悪く、キングストンからポートアントニオに行くのにも、島の東側を走り海を見ながらのんびりSt.Thomasを経由するより、北上してStony Hillで行ったほうが道が確実です。実際にキングストンから出ているポートアントニオ行きのコンチバス(*)はStony Hillを経由して行きます。ジャマイカ全体の道路がこの10年ほどでかなりよくなったといわれています。高速道路もどんどん伸びてますしね。

*コンチバス (Country Bus) = 街と地方都市を結ぶ中距離バス。また、以前これについて書いた曲の紹介と記事はこちら

なぜSt.Thomasの道が劣悪なままなのか、それはPopcaanのいうとおり、St.Thomasには目立った物や観光名所と呼べるような場所がないため、国としてもお金をかけて道路を直すということをしないのだと推測できます。確かに思い出せる物と言ったら島の最東にある灯台と、内陸のBathという場所にあるその名のとおり温泉があるくらいですかね。

ひたすら続くサトウキビ畑と工場 



遠くに見えるのはMorant Point Lighthouse

なかなか発展しない場所ではありますが、アーティストのように知名度/影響力のある人が声をあげ、人々を盛り上げ、それが大きな力となっていくというのはジャマイカのような国では大切なことだと思います。(特にジャマイカのデモはあまり長続きせず、みんなすぐ諦める傾向にあるため)

一方でPopcaanは先日アトランタで行われたRed Bull Culture Clashにヘッドライナーだったにもかかわらずビザの問題でアメリカに入国できず・・・


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Tings & Time Records
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