6/26/2016

Dancehall in crisis! ...Industry players concerned about poor album sales

ダンスホールの危機?

その前に、気になるニュースが2つ。
先週末にイギリスはロンドンで行われたRedbullのCulture ClashでのMixpak VS Taylor Gangの戦い、Popcaan とWiz Khalifaのディスり合いが面白いことになってました!全編がYouTubeで公開されています。こちら

ま た、 悲しいニュースが数日前に。Konshensの兄であるDelusが自宅で銃撃自殺を図りました。数年間うつを患っていたようで、引き金を引く直前には頭 に銃口を向ける動画をガールフレンドに送りつけたそうです。彼女はすぐにDelusの家に駆けつけたものの、間に合わなかったそうです。R.I.P. Delus


さて、ダンスホールアーティストのアルバム売り上げが思わしくない昨今、Kartelのアルバムでさえも売れ行きが微妙、という状況について書かれたJamaica Starの記事をご紹介します。
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Vybz Kartelのアルバム、King of the Dancehallの最初の週の記録が、売り上げ1,867枚、そしてビルボードチャートのレゲエ部門で2位と発表された。ファン待望のアルバムであったものの、この記録が他のアーティストも困惑するほど、ジャマイカのレゲエとダンスホールは外国のアーティストに比べて落ち込んでいると言われている。

Sizzlaの広報担当者は、この状況についてソーシャルメディアにこう書き記した。
「King of the Dancehallの最初の週の売り上げ1,867枚は2006年にBeenie ManがリリースしたUndisputed以来の好成績であると言える。でももしこれを成功と呼ぶのなら、業界が問題視しなければいけないところにきている。我々は1週間でゴールド(500,000枚)やプラチナ(1,000,000枚)くらい売らなければいけないところ、2,000枚にすら届いてないんだなんて、まったくの危機的状況だ」
 (*ゴールド、プラチナの枚数はアメリカの基準枚数)

Kartelのアルバムの話だけではありません、Alkalineの新しいアルバムNew Level Unlockedもビルボードのレゲエチャートで1位にのぼりました。ところが最初の週に売れたのは1,000枚以下。Kraniumのデビューアルバム、Rumorsもメジャーレーベルに所属しているのにもかかわらず1,000枚を超えていません。

ベテランのアーティストマネジャーであるHeavy Dは本紙の取材で、記録の数字の正当性に疑問を持っていることを話してくれた。
「ジャマイカで人気のダンスホールアーティストのアルバムが売れないのに、DrakeやRihannaが彼らの曲のフレーズを歌って売れるのか理解できない。数字そのものが疑わしく思ってしまう。ビルボードが記録となる数字をどこから持ってきているのかわからない以上、意味がないんだ。怪しいって思ってる」

とはいえ、Drakeが先月リリースしたアルバムの収録曲ではジャマイカ人アーティストをサンプリングしたことで彼がジャマイカのダンスホール音楽の認識を広めることに貢献していると考えている。ゆえにレゲエとダンスホールのアルバムの売り上げが乏しいことは事実であり、Mr. Vegasが言っていた、『レゲエとダンスホールはもっと世界的に売れているアーティストにカバーやフィーチャーという形で世界に知ってもらう必要がある』、という発言は正しかったと思っていると話している。
(Mr. Vegasは、DrakeがジャマイカのアーティストをFeatureしておきながらクレジットしなかったことについて抗議的な動画を公開しています。世界的なアーティストにhook upしてもらうことがレゲエをより多くの人に知ってもらう大事なチャンスだから、と話しています。それについて書いた記事はこちら

「ジャマイカのアーティストも世界的に成功しているアーティストについてツアーに行ったり、Featureという形で横で歌ったりしている。それなのにどうして売れてないんだ?アメリカのラジオ局で曲が流されていないこと、それが問題だ。1日や2日じゃたりない。もっともっと長い時間レゲエやダンスホールを聞いてもらう必要がある、1ヶ月とか2ヶ月とかね。そして制作する側は音楽にもっともっと力を入れていかなければいけない。我々が作ったものを自分たちでダメにしてはいけない。世界はジャマイカがレゲエのメッカだということを知ってる。だからこうしてたくさんの海外アーティストがここジャマイカにレゲエを求めてやってくるんだ。」

また、人気セレクターのZJ Rushは音楽にお金を使う人たちがダンスホールやレゲエの新しい音に興味を持っていないと感じていると話す。
「論より証拠だ。ラスタの集会でベーコンとチーズを出しても、誰も食べないだろう?」(=彼らの興味からずれている。音楽にお金を使う人たちは他の音楽に興味を持っている、というたとえ)

記事原文:http://jamaica-star.com/article/entertainment/20160623/dancehall-crisis-industry-players-concerned-about-poor-album-sales

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この記事では枚数(原文では1,867 copiesと書かれています)について話していますが、ビルボードの順位はもちろんダウンロード数やプレイ回数もカウントされています。チャートの順位が上でも、そのポイント数が絶対数で低かったら売れてないわけですが、レゲエはラジオで流れることの多い音楽なので、本文にあるようにラジオでたくさん流してみんなの耳に届く→購入する というようにもっとならないといけないですね。もちろん作品の質も追求しつつ。
でも、レゲエという音楽はカリブ海の小さな島で反抗心の中から生まれ、世界に広がったユニークでオリジナルな魅力を持つ音楽なので、個人的にはそこを曲げずに貫いて欲しい気もします。


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