2/10/2015

[2015/02/10] The way forward for reggae - レゲエの未来-

Sunday Gleanerが3回シリーズでお届けする、レゲエの過去、現在、未来について書いたコラム、最終回となりました。今回は最後の未来についてです。

過去の記事の訳はこちら
1回目:Did Reggae its Way?
2回目:Reggae, Dancehall Music… What Went Wrong?

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1月の終わり、Jamaica Jazz and Blues Festivalが行なわれた。しかしながら蓋を開けてみるとかなりの盛り上がりを見せたのは伝統的なレゲエ"ではない” 二つのパフォーマンス - カナダのMagic!と、アメリカのSOJA - だった。彼らはレゲエの生まれたこの島の出身ではないが、特にBillboardとiTunesのレゲエチャートの両方で素晴らしい業績を見せているのが特徴だ。

今日のレゲエの下向きなスパイラルを取り巻く暗いニュースから離れて見てみよう。エンターテインメント専門の弁護士であり音楽ファンの一人でもあるLloyd Stanbury氏は、レゲエが適切な行いと、より強い注目を集めることでジャマイカ(のレゲエ)がまた市場を支配することができると信じている、と言う。

「ジャマイカのレゲエは政府と地元の民間企業が、自国の経済的な発展のための先駆けと考えて力を入れることができれば、再度盛り上がるはず」とSunday Gleanerに話した。

Stanbury氏は、これまで長いことレゲエをビジネスとしてかなり力を注いで来ており、過去に行なわれていたCaribbean Music Expoというイベントでもリーダー的存在だった人物だ。彼がこれから出版する最初の本、"Reggae Readblocks: A Music Business Development Perspective(音楽ビジネスの発展の見通し)では、このビジネスにおける優れた洞察力を見せている。この本は今年の後半に発売される。また、彼の視点では、レゲエをもう一度盛り上げるためには、創造的で文化的な産業を支えるべく、しっかりと体型づけられた発展計画が必要なんだそうだ。

「それには音楽ビジネスのマネジメント能力、企業の開発サポート、アーティストをツアーに連れて行くことや、海外のレゲエアーティストと戦うことができるマーケティングサポートの改善が必要だ。」


収入の変化
Stanbury氏の話によれば音楽ビジネスはここ10年で劇的に変わって来ており、その結果、見込める収入のポイントも変化したと言う。
「物理的な売上(CDなど)が劇的に減少している。一方でレコードの売上は上がって来ている。今日、音楽の売上と利益について話を始めたら、もっとも儲けられる分野としてライブパフォーマンス、デジタルストリーミング、ダウンロード、広告、映画製作、ゲームを考慮に入れる必要がある」と指摘する。

また、過去の売上と今日までにアーティストが作って来た売上を比べると、この先、過去のような売上が繰り返されることはない、と述べる。

現在のアーティスト達はビジネスから成功を感じることはできる。「しかしながら彼らがより成長するためには、マネジメントやマーケティングのサポートにおけるプロ意識のレベルを向上させなければならない」と強調する。

創造性の視点からは、悪くない。しかしそれをサポートするだけの十分なマネジメントとマーケティング力が欠けている。
「音楽の教育とビジネスマネジメントのトレーニングは我々が前に進むために優先度の高い公式であり非公式でもある教育システムだ。実際、ジャマイカ政府のリーダーや彼らの専門的なアドバイザーも欠落しているため、世界的なスケールで見たレゲエの経済的な価値への理解が非常に低い。」と言う。

将来は国内のマネジメント能力と統治能力を向上させるために、ローカル(ジャマイカ)の音楽協会が国内外のプロと手を結ぶことになるだろう。

「我々の業界組織は頑張っている、だが、より協力なメンバーのサポートがあればもっとよい結果を打ち出せると思う。レゲエ月間は業界の発展と成長を動かす素晴らしい手段を導き続けてくれる。これは制定当初の主な理由だった。しかしながら私の視点では、現在このレゲエ月間の中心組織となっているJaRIAは祝いモードへの注力を少し弱め、その分プロ意識の発展に力を入れるべきだと思う」

記事原文:http://jamaica-gleaner.com/gleaner/20150208/ent/ent8.html
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ジャマイカ国内でのレゲエの価値というのは、その業界の中にいる人であれば自分たちの肌で感じることは多いのでしょうが、政府は外国から見た「レゲエの生まれたカリブの島・ジャマイカ」の影響力の大きさを感じきれていないのではないかと思います。素晴らしい、可能性を秘めたこの素晴らしい音楽をもっと評価して国全体が盛り上がるといいのですが、理想では。
一方、現実問題としてこの国にはレゲエを聴かない人もいますし、レゲエの中には子供に聞かせたくないリリックや、アーティストの素行の悪さなど、サポートし切れない理由もあるため、協力体制のバランスの悪さが残ってしまうのは否めません。

現在、マネジメント力、マーケティング力については海外のアーティストのほうが勝るのは売上の数字を見てのとおりで、いい作品が出来ても見せ方ひとつで売上につながらなかったり、その逆も然りです。海外での同胞の活躍はジャマイカ人にとっても非常にいい刺激になりますし、誇りを持てる大切な事ですのでなんとか取り戻して欲しいです!(Staff)

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