4/11/2015

[2015/04/11] オバマ大統領 訪ジャマイカ フィーバー

連日オバマ大統領訪ジャマイカ関連の投稿になってしまっていますが、ジャマイカを騒がせたことは誰の目にも明らかでした。ヘリコプターも出動し、道は封鎖されその他の道路が渋滞し、キングストンの街全体が騒然とした2日間でした。会議のあった9日は、朝から中継があり夕方のオバマ大統領のジャマイカ出国まで独占で放送されていました。また大学での公開質問もあり、充実した内容のようでした。(訪ジャマの目的をすべて達成できたのかは不明ですが)

Facebookに載せましたが、公式あいさつでは"Greetings Massive! Wah Gwaan Jamaica?" とジャマイカ人の心をがっつり掴む一言を!



なぜこんなに歓迎されるのか、ジャマイカ人の友人に聞いたところ、アメリカで初めての黒人大統領であること(黒人は黒人であることに誇りを持っています)、そしてアメリカに家族がいる人も多く、アメリカをより近くに感じており、オバマ大統領に感謝している、ということが大きいという回答でした。

さて、そのフィーバーがやっと終わったと思いきや、エンターテインメント界でも少し残り火が。

I DID NOT DISS OBAMA
Chronixxがオバマ大統領をDisした、という話題についてラジオで何度も何度も取り上げられていました。この背景には、ジャマイカの国民的英雄であるマーカス ガーヴェイがかつてアメリカで逮捕され、国外追放されたことがいまだに記録に残っていることがきっかけとなっています。

*マーカス ガーヴェイは黒人解放活動家の一人で、当時アメリカでも活動し黒人の社会への進出の基礎を作ったり、ジャマイカでも多大な影響を及ぼした偉人であります。ジャマイカ$20コインの人です。また、ラスタファリアニズムを始めたと言われ、エチオピア帝国の最後の皇帝 ハイレ セラシエ 1世と並んでラスタからは崇拝される存在です。「いまに黒人の皇帝が現れる」、と予言したのはマーカス ガーヴェイで、それがハイレ セラシエ 1世なのです。

今回のオバマ大統領の訪ジャマイカで、ジャマイカ政府はマーカス ガーヴェイの解放(実際はもう亡くなっていますが逮捕の記録を消すこと)を求めるのではないか、と言われていたほどです。この逮捕記録を消去するのは、当時アメリカは白人によって支配されており、逮捕は人種差別から来た不公平な物であり、誤認逮捕だったと後に言われています。

彼の功績は大きく、ここに書き切れないのでウィキペディアの項をこちらに載せます☞ マーカス ガーヴェイ

さて、Chronixxに話を戻しますと、彼はかなり敬虔なラスタファリアンで、常にその考えをインスタグラムを始めとするSNSで主張していますが、今回問題となった発言は

"This man ... Still have criminal record on the United States and we glorifying some waste man! This man was hunted and imprisoned by our Jamaican government ... who some years later, paved a peaceful and safe path for the US president to address is a ... "race of good for nothing's". That's why black faces don't mean anything to rasta anymore”


「この方は・・・アメリカの地で犯罪記録をまだ持っており、我々は用なしの誰かさんのことを美化してる!この方はジャマイカ政府に追われ、投獄された・・・平和で安全な道のりを作った人が。大統領に向けて「人種には意味を持たない」と言った人が。だから黒い顔はラスタにとってもはや意味を持たない。」

これは名前は出していないもののマーカス ガーヴェイのかつての逮捕について、そしてオバマ大統領を批判する内容であることは明らかだと言われています。

コメント欄では、「自分はアメリカでツアーをやったり、テレビにまで出演してるのに!」とか「オバマ大統領に失礼だ!」とかもちろんアメリカ国民からのコメントもあり、大騒ぎ。

その後、Chronixx自身は"I DID NOT DISS OBAMA"とコメントを出しています。が、自分の発言には責任を持っているし、恥ずかしいことをしたつもりはない。と書いています。Chronixxのインスタグラムのアカウントはこちら

さらには以前SNS上で言い合いとなったジャマイカ国会議員のLisa Hannaまで出て来て、「あなたはすでに公人なのだから物言いには気をつけないといけません」とアドバイスしています。

Chronixxはそのストレートな物言いが彼の個性でもあるのですが、ラスタに対して敬虔すぎて社会に対する不信感を隠すことはないので、ジャマイカ人の間ではtoo muchな感じがあるのも否めません。熱過ぎるという感じでしょうかね。(もちろんジャマイカでも人気はありますが、海外での人気のほうがより高い感じがします)

Deejays seek Obama's help for visa
別の話では、Bounty KillerやBusy Signalといったアメリカからビザが下りないアーティスト達がオバマ大統領にビザをくれるようお願いしたい!と叫んでいたと言います。
アメリカのビザが下りないアーティストはたいてい過去にアメリカで悪いことをしているんですけどね。

*ジャマイカ人は、カリブ諸国以外の外国へ行く時は、ビザを取らなければその目的国に入ることができません。日本はすべての国とは言いませんが、パスポートだけ、事前のビザ取得なしに入国できる国がほとんどです。それだけ信頼されているのですが、ジャマイカ人はその逆。悪さをする人が多すぎるため、大使館に出向いてきちんと審査されないと入国許可が下りないのです。(一旦ビザが下りるとだいたい5-10年もらえるようですが)

*以前、キングストンのNorman Manley空港をカナダに向けて出発する時、「あなたカナダのビザは持ってる?」と聞かれたことがあります。「日本人はビザが必要ないんです」と言うと「本当に?大丈夫?」と念を押され、「大丈夫、日本人は世界のほとんどの国にビザなしでいけます」と回答しました。そんな質問をされるのはジャマイカだけではないでしょうかね。

さてやっと通常に戻ったキングストン、と思いきや日曜日はソカのロードマーチで賑やかになります。またこちらもご紹介したいと思います!


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