ジャマイカ人のアーティストにとって、海外でショーをするためのビザはとても重要です。
前にも書いたのですが、日本人は外国へ行く時、たいていの国はビザ不要で入国できます。その証拠に旅行に行く前に大使館に申請するということはあまりないと思います。ところが、ジャマイカ人はほとんどの外国に行く時、ビザを取らないとその国に入ることができません。日本へ行くのももちろんです。その経由地となるアメリカやカナダのビザも必要なのです。
これは過去に悪さをしてきたジャマイカ人が多く、その結果、審査をしないと国に入れてあげない、という制度になってしまったのです。その審査に通らない人もいます。（アメリカやイギリスの場合は、許可が下りれば5年、10年などといった長い期間、有効になるそうですが）
Good To Go!
さて、先日オバマ大統領がジャマイカを訪れた際、時の人ChronixxはSNS上に自分の考えを素直に述べてしまいました。素直過ぎる意見を。
1920年代、ジャマイカの国民的英雄であるマーカス ガーヴェイは詐欺罪によりアメリカで逮捕されたのですが、その原因はアメリカ政府の人種差別によるものであると伝えられています。
かねてよりジャマイカ政府はこの逮捕歴をアメリカ政府に消去して欲しいと考えていたのですが、先月のオバマ大統領の訪ジャマのタイミングでそのことを依頼しました。もちろんマーカス ガーヴェイは故人であり、オバマ大統領には直接関係ないのですが、黒人の歴史に多大な影響を与えた偉人であるジャマイカの英雄に逮捕歴があるのはジャマイカ人にとって聞こえのいいものではありません。またオバマ大統領が黒人の血を引いているので、お願いするのに絶好のチャンスと思ったのでしょう。ちなみにアメリカ政府からの回答はまだ出ていません。前置きが長くなりましたが、この件についてChronixxはオバマ大統領をディスするような形でInstagramに自分の考えを書き、彼のファン、そしてアンチの人達も含めて物議を醸しました。その後、ツアーはどうなるのかと心配があったようですが、現在、USツアーは順調に行なわれている模様。Capture Landツアーはカリフォルニアを皮切りに始まり、その後ビザの剥奪などはなく、順調に各地を回っているのだそう。人気もすごいですし、アメリカにとってはそんなに大きな問題ではないのかもしれないですね。とはいえ、Observer紙のこの記事の欄には多くのコメントが寄せられていて、それぞれの見解が交わされていました。
Busy Wasn't Deported
その一方で、Busy Signalは先週金曜日、週末のコロンビアでのショーに向けてジャマイカを発ったのですが、直行便がないため予定ではパナマを経由しコロンビアに飛ぶつもりでした。ところが経由地のパナマの入国ができず、引き返すことにしたそう。この件について一部では、国外追放されたと報道されていたそうですが、正確には「国外追放されたのではない、コロンビアへ行くための経由としてパナマはBusyを入国させなかった」（"Busy Signal wasn't deported, they just didn't allow him to transit through their country on his way to the show in Colombia,"）と訂正しています。
コロンビア行きは諦めず9月に行なわれるショーには出られるよう、プロモーター含め調整中とのこと。でもアメリカとパナマ以外の経由地となるとかなり面倒なルートで行くことになるはず・・・。
ちなみにこんな事になっているのは、Busyが2012年にアメリカでドラッグの取引に関わったことで国外追放されたという事実があり、それが他国にも影響してしまっているせいなのです。
Busy Signal / Nah Go Jail Again (2007)
記事原文：
http://www.jamaicaobserver.com/entertainment/GOOD-TO-GO-_18859615（Chronixxの記事）
http://www.jamaicaobserver.com/entertainment/BUsy-wasn-t-deported_18880080（Busy Signalの記事）
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