2/29/2016

レゲエが伝えるジャマイカの文化 ーCountry Bus(コンチバス)

去年、Assassin a.k.a. Agent Sascoのリリース、"Country Bus"リリックの日本語訳をご紹介しましたが(その記事)、今日は人々のジャマイカのCountry Bus(通称コンチバス)の思い出と曲がリンクしたコラムが掲載されていたのでご紹介します。

Sasco adds meaning to bus travels
Sascoの描くコンチバス旅行

かつてジャマイカの放送協会がテレビで国歌を流していた頃、その時間、画面に表示される印象深いイメージ画像の一つにSt. ThomasのGolden Groveの角を曲がるコンチバスがあるでしょう。
コンチバス
今日、田舎と街をつないでいるミニバンタイプのバスが主流になる前はこれが人々の足として大きな役割を担っていました。

野菜や果物、人やペットを運ぶ、大きくてうるさいバスは現在は走っていませんが、映画 “Harder They Come”のオープニングシーン、Sizzlaの”Thank You Mama”、そしてCourtney Johnの”I Go Crazy”でみることができます。





Professor Nutsは”Inna De Bus”でオフィス街に入るコンチバスの危険性を、The Lovindeerの"The Blinking Bus"ではぎゅうぎゅう詰めに座らされる不快感を歌に、
Ras Karbiの"Country Life"ではジャマイカの文化の一つにコンチバスを挙げ、
リラックスできるし、田舎を満喫できると歌っている。
ちなみにこの曲は他の曲が田舎から街へ出る様子を歌うのと異なり、田舎の良さを伝えている。
今ではジャマイカのみならず世界でもすばらしい映画として人気の高い “Harder They Come”も主人公はコンチバスに乗って田舎から出てくるのだ。

今日人気のあるアーティストではSaccoのCountry Busが記憶に新しいところだ。コンチバスでの旅の経験を細かく描いたリリックだが人を旅に行きたいと思わせる。


 「街にはかわいい子がたくさんいるって聞いてるぞ
街で子供達のために何か買ってあげたいし
ってことで大きな街へ行くぜ!」


窓際に席を取り、新聞を読む。運転手はキングストンに向けてぐんぐんとスピードを上げるSaccoは乗っている人々のキャラクターを詳細にわたり描いている。
ラスタマンからFatty(太った可愛い女の子)、そして田舎から野菜を運び街の市場で売る行商。

「バスが止まって周りのみんなが面白い男が乗ってきたという。
俺が知らないだけか?コメディアンが乗ってきたのか?」

考えるだけで目に浮かぶ様子を忠実に捉えている。

2番では
Sascoが窓の外に目をやり、牛や山羊を見つける。そして当然ながらバスの中にいる人のキャラクター:コンダクター(運転手と共にバスに乗っている車掌のような人ーー運賃を回収したりする)や、さとうきびの行商。
みんなのガヤガヤした不満の声:学校に遅れそうな子供達、バスの運転が荒いと怒る女性
この曲はバスに乗った様々な経験をしっかり描いているのが特長だ

「街は眠らないって聞いたぞ
牛も、ヤギも、羊もいない
そして毎晩ステージショーがあるんだって」

もちろん運賃のこともSascoは歌っており、
「街までの運賃、信じられない高さだぜ!」


記事原文
http://jamaica-gleaner.com/article/entertainment/20160228/sasco-adds-meaning-bus-travels
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かつて田舎と街を結んでいたコンチバスは人々の重要な移動/運送手段として活躍していました。今はもう走っている姿を見ることができませんがジャマイカ人にとって情緒のあるものです。また、こうした毎日目にするものが曲に登場することで、レゲエが人々の生活に密着している音楽だということがよくわかります。さらにこうして月日を経ても曲で語り 継がれてゆくのはすばらしいことですね。


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